介護の仕事の中には無資格でも出来るものがある。例えば無資格者が介護施設で働く場合、介護施設の雑務全般などは行える。また施設の場合は現場に介護福祉士がいるので、介護スタッフの補助的な仕事や利用者の生活援助サービスも行うことが出来る。無資格から介護の仕事を始めてこれらの仕事をしながら介護資格の取得を目指す人も多く、介護施設側としても有資格者を確保したいため資格取得を奨励している。
しかし訪問介護のように介護スタッフを高齢者の自宅に派遣して介護サービスを行うような仕事の場合はどうだろうか。訪問介護の場合は介護スタッフが最初から最後まで一人で行う必要がある。もちろんその中には利用者の体に直接触れる身体介護サービスも含まれており、身体介護を行えない無資格者は訪問介護スタッフとしては働くことが出来ない。
このように高齢者の自宅に派遣される介護スタッフは介護職員初任者研修以上を修了したものでなければならず、訪問介護事業所の派遣スタッフになるためには介護資格の取得が必要となるのだ。
例えば無資格から介護の仕事を始めて将来的には有資格者である訪問介護員になりたい場合、小規模多機能型施設で無資格でも出来る仕事をしながら、資格取得後に訪問介護員として働くという方法がある。小規模多機能型施設は、通所・訪問、短期間の宿泊を組み合わせた介護サービスで、1つの施設内で提供している介護サービスの種類は豊富だ。無資格でも出来る仕事から訪問介護員の仕事まで、仕事内容も多岐にわたる。
高齢化が進む現代にふさわしく高齢者向けの施設や事業所も多く普及しているが、その介護現場で働く人材不足の問題はまだまだ続いているのが現状だ。そのため、無資格でも介護職の正社員として働けるとしている求人が多く見られる。これは無資格や未経験でも介護の仕事は出来るという証明だろう。実際に、有料老人ホームや介護老人保健施設、小規模多機能型施設などの施設でベッドから起き上がる介助などの介護スタッフの補助的な身体介助、衣類の洗濯や掃除、買い物などの生活援助のほか、施設と利用者の自宅の送迎車の運転手の仕事が行なえる。
誰もが皆、最初は初心者だ。自分に出来る仕事を熟して少しずつステップアップしていくといいだろう。もし正社員が難しいという場合は派遣に挑戦するとよいだろう。派遣の方が正社員よりもハードルが低くなっている場合が多いからだ。こちらの「無資格でも大丈夫!派遣で働こう」で派遣会社の選び方などが紹介されているため、参考程度に読んでみるといい。
資格が無くても出来ることはあるが、反対に資格がないと出来ないこともある。まず、訪問介護に携わることと介護福祉士と名乗ることが出来ない。この2つは共に専門的な知識と技術が必要なためだ。特に介護福祉士は名称独占資格のため、実務経験があり国家試験に合格したものしか名乗れない。その実務経験を得るためには介護職員初任者研修や介護職員実務者研修などの資格が必要になる。それらの資格がないと携われない業務の実務経験が必要だからだ。そのため、介護福祉士と名乗りたい場合は地道に実務経験を積み、試験に向けて勉強していく他ないだろう。